セイリログ

こう、ぼんぼりたい

投げ売りMB手に入れたので格安で一台PCを組もうとしたら特に安くならなかったけどDIYで自作PCの神髄を垣間見た気がする話

〇大阪日本橋で中古MBを1600円で買ったところからすべてが始まった…。

といっても特に大したことのない、よくある自作PCの話。

マイニングバブル崩壊で、マザーボード(MB)とグラフィックボードあたりの専用機器が投げ売りされる日々が年末年始辺りから続いていた。さすがに3月末になると捌けてきたようだが、19年3月27日現在でもMBが新品3000円代くらいで手に入るようだ。

 

 

自分が購入したのは【H110 pro btc+』。チップセットが異なるが、似た仕様のマイニングMBだ。中古とはいえ10日保証で1600円は安い!と思い衝動買いしてしまった。

これでなんか安く使えるPCを一台組んでみよう…と画策が始まった。(このときが一番楽しい)

 

とりあえず保証期間以内に動作確認だけでもやっておこう、と思ったが、6,7世代のCPUは持っていない。こればかりは購入しなければならず、まぁ中古で探すかーっと気楽に考えていたのだが、しかしこれが茨の道の始まりだった。

 

〇中古市場にCPUがない!

18年10月頃から確かにintel系CPUが品薄で値上がり傾向だと聞いていたが、調べてみると中古CPUも同様に品薄というか、ほぼどこも置いていない状態だった。

厳密に言うと2,3世代(LGA1155)以前のCPUならそこそこ中古市場にも残っていたのだが、6世代以上且つローエンドCPUは、中古はおろか新品すら置いていない店ばかりだった。(余談だが、LGA1155はCPUが安くてもMBが高くつく傾向があるっぽい。1000円くらいで動作品が手に入るのなら間違いなく買い)

CPUそのものは故障する確率が低く、中古でも問題なく動作する可能性が高い為、他の中古パーツより競争が激しいのかもしれない。ただマイニングバブル崩壊したのだから、CPUも大量に流れても良いはずなのに…。

 

中古市場に供給される可能性は低いと踏んで、仕方なく新品購入を考える。一番安く済むのはceleron G3900系だろう。個人的には4スレッド化して高評価のPentium G4560が欲しかったのだが、どうあがいても9000円はかかりそうだ。

 

一週間くらいネットで価格調査を行っていると、たまたまAmazon直販でG3930が4500円で売られていた! 最安値のころと比較すると高いが、ほぼ販売時価格(定価)と言える値段なので購入。まあG3930に限れば中古マケプレで4000円程度で入手できる機会もあったのだが、やはり新品且つAmazon直販なので保証面で安心できる。

 

安くついたとはいえ、出費的には既に6000円。G3930の性能から負担の高い作業は荷が重い為、作業用やゲームに特化したPC作りは難しいだろう。(もともと必要ないが)

今更マイニングしたいとも思わないので、この時点でPCは省力小型の方針で行くことに決定した。マイニングMBだがグラフィックボードは一切装着しないという男らしい仕様(?)。

まあそんな感じで動作確認をやってみるが…。

 

〇18年前の電源でも動いてしまう

動作確認の為、あとはDDR4メモリと電源が必要となる。

昨今のメモリ値下がりのおかげで、DDR4メモリを買い増したので、メインPCには8GB×3積んであった。そこから一枚拝借する形。

だたメモリチップ企画がDDR4-2666で、マザーの対応がDDR4-2400まで、CPUに限ってはDDR4-2133まで、という制限があり、それは懸念点であった。一応メモリは下位互換があるという話があったし、まぁ最悪動作しないだけだろうと軽く踏んでいた。

電源が余っているのがsoket478時代(およそ18年前)の骨董品。ほかのPCから拝借するのも面倒臭いのと、その電源が動作するかの確認したかったので使用してみることに。一応ワット数的には問題なさそうだが、アンペアが5Aで現代主流のものよりは低い…? 一応分解してコンデンサの具合と掃除はしておいたが、素人目には状態の良しあしは判断できない。

 

結果として、それらを繋ぎ合わせるとなんと無事UEFIまでたどり着いた。ちょっとびっくり。いやでも電源がこのまま使い続けるか正直めっちゃ怖い。

でもまぁ500円で昔買ったジャンクHDD(動作確認済み)があるので、とりあえず使えるPCは出来上がるのかな、と甘く考えていた。

 

〇悲惨!メモリが壊れる!(初経験)

動作確認が終わったので、とりあえずメモリをメインPCに戻してみたら、メインPCが起動しなくなった。というかビープ音すらならない。H110の方にメモリを戻すも同じ症状。

調べてみるとやっぱりメモリが原因のようだ。そのメモリを刺すだけでUEFIに辿り着かないのでmemtestすらできない。いやできるのかな…?(まあ絶望的)

メモリ8GBは今は5000~6000円程度で購入できるが、高騰時に買ったものなので心理的な被害は数割増しとなっている。何度試しても復活しない。悲しい。

普段保証書やレシートの類は残しているのだが、このメモリだけピンポイントで喪失してしまったので交換対応も絶望的。ちゃんと正確に残すようにしようという教訓かもしれない。

 

抜き差しの際に問題があったのか、メモリに問題があったのか、あるいは骨董品の電源が悪影響を及ぼしたのか…原因は特定できそうにないので、とりあえず電源は排除。2666メモリをこれ以上使うのも怖いので、4GBの2133メモリを新規に購入した。

メモリも安くなってきたので、2770円くらいで購入。まだ下がる見込みがあるようなので、さらに安くなったらもう一枚買い増しも考えている。

 

 

PATRIOT デスク用メモリ DDR4-2133 (PC4-17000) 4GB 288pin U-DIMM 永久保証 PSD44G213381

PATRIOT デスク用メモリ DDR4-2133 (PC4-17000) 4GB 288pin U-DIMM 永久保証 PSD44G213381

 

買った商品とは違うが、同価格のメモリ。

 

〇電源は買ってない!買ってないんです!

前に使っていたsandy世代のPCがあるのだが、購入当初から17年末まで酷使していたのに電源の不調は感じず、今まで交換してこなかった。さすがに5~7年以上使っていると劣化しているだろうし、保守の為電源交換はしておきたいという気持ちはあった。

ということでいい機会だということで、このsandyPCの電源を交換し、その余った電源を流用することにした。18年前と7年前の電源どちらも危うい気はしないでもないが、まあ普通に使えていた実績があるし世代的にも近いので多分大丈夫だろう。たぶん。

電源はThermaltakeの500wを4000円で購入。ただしこれは自作PCの費用には加算しない。気持ち的な問題で!(電源抜きでも既に8700円程掛かってる)

 

結果的に新品メモリと電源交換で安定するようになった。とりあえず次のステップとしてOSの導入をやってみようと思ったが…。

 

〇HDD、お前もか

まあジャンク品というのはそのまま使えたらラッキー!というものです。

500円くらいで昔購入した200GBHDDにwin試用版をインストールしようとしてみたら、なぜか途中で止まる。

1時間放置しても全く状況が変わらなかったので電源長押しするとこんなメッセージが表示された。Windowsに初めてキレられた。

 

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この時点では原因は特定できていなかったが、LiveUSBですでにChromium OSの起動と正常な動作を確認できていたので、おそらくストレージが原因なのは見当はついていた。

だがそのHDDは以前「CrystalDiskInfo」でチェックしたところ、健康状態は「正常」であったし実際に使用できたことは確認済みだった。まぁ動作時間は4万時間超えていたが。使えるんじゃないかなぁって見込みもまだ持っていた。

UEFI設定を見直したり、ストレージをDISKPARTからフォーマットしたり(インストール画面でコマンドプロンプト出せることを初めて知った)、いろいろ試行したところ完全にHDDが壊れたらしく、インストールしようとすると「壊れてるっぽいのでインストールできません」のメッセージが出るようになった。HDDもダメだったようです。

 

仕方ないのでメインPC用に購入した240GBSSDを贅沢にも投入し無事インストール完了。3400円もしたんだぞ!けどこれは一時的なもので、PC費用には含めない。

この記事を書いてるときに新品SSDが届いたのでのちに交換予定。999円32GB。容量単位でみると高いし、32GBの低容量は大丈夫なの!?という感じだが、1000円ストレージは魅力。とりあえずタブレットPCでもこの容量はあるし、当分は使えるだろう。

 

 今見たら残り1個だった。この会社評価数が少なく、レビューでも偽装があった報告があるのでご注意。

 

〇小さいケースが欲しいがない。そんなときは…

ここまではよくある自作PCのあれこれだ。流用したりジャンク使うと苦労したよ、ってだけである(それも一興なのだが)。

 

とりあえずコンセプト的に、グラボはいらないので小型のケースが欲しい。マイニング用MBだし裸で使っても問題なさそうだが、まあ気持ち的な問題だ。

だがATXサイズのマザーボードと電源で小型サイズというと、ほぼ選択肢がない状態だ。メインPCで使ってる「JONSBO U4」というケースは比較的小型且つ結構すっきりしたデザインで、質感が良いのに安価なので愛用している。

 

 

だが、さらに小さいのというとすでに市場から姿を消したシリーズや1万越えのものしか選択肢がない。

こうなりゃいわゆる「まな板ケース」を作って安価に済ませよう、と思って百均に向かったら、セリアでMDFボードという合板を発見してしまった。

DIYをやる人には常識なのかもしれないが、この合板は強度があり安価である。加工にも向いてるらしいので、これで木製PCケースを作ってみることにした。

木材製は発火が怖いが、木の発火点は250度以上のようなので、ケースとして利用しても通常燃えたりはしないだろう。とはいえアルミ製に比べるとリスクがあるのも事実なので、気を付けて使用する必要がある。

 

それで三日間くらい頑張って作ったのでこちら。

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見事なまでの箱型PC。正面に12㎝ケースファンと電源スイッチを付けただけ!歪みまくりで正直あまり披露するものではないかもしれない!

今回作成にあたり、図面を用意せず脳内イメージで作成したのだが、まぁ(効率はともかく)形にはなって良かった。図面どころか定規も使わなかったが。(どのみちノコギリが下手糞過ぎて正確さが出ないので諦めた。木材は多少歪んでもその剛性でネジで強引に辻褄を合わせられるのが素敵)

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側面は簡単に取り外せるようにしており、簡単なメンテナンスはできる仕様。

電源は大量にあるPCIスロットを埋める形で設置されている。

グラボ差す予定はない故の大胆仕様だが、ライザーカード(200円)も購入しているので使おうと思えば使える。

ちなみに直立している板はHDD固定用。HDDは取り外している。

エアフローも一応考えており、正面から吸気、下部に隙間を作ってるのでそこから排気して埃は吸わないようにしている。G3930は廃熱が少ないので排気ファンは電源のものだけでも十分なんとかなりそうだ。(実際負荷をかけても40度いかない)

 

 

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裏面とiPhone5Sとの比較。できるだけ小さく作ったがATX規格だと限界があることを実感。

I/Oパネルは当然のように付属していなかったのだが、自作するのも難しいので大まかに切った木材の隙間をビニールテープで埋める強引な作り。自分用だからこそできる力業。しかし歪み具合がひどい。

 

PCケースの製作費用は、MDFボード300円、角材200円、ジャンクケースファン100円、電源スイッチ300円、ケースファン用フィルター500円で、だいたい1500円。フィルターが一番金掛かっている…ここも工夫して自作しても良かったかもしれない。

MDFボードはセリアで3枚買うことになったが、もしかしたらホームセンターや通販を利用した方が安くついた可能性はある。

 

〇PCケースを作って、初めて自作PCを自作した気がする

自作PCって言ってみればパーツを組み合わせる作業なだけなので、あんまり「自作」感はないと思っていた。『カスタマイズ』の方が言葉として相応しいかなぁっと。

ただこうやってケースという外観を自作したことで、自分だけのPCを作成できた実感が初めて沸いた。つまりDIYこそ自作。出来栄えはともかく。

 

かかった費用は電源代と流用するマウスキーボードモニターを抜くと11500円くらい。まぁそこそこ安くついたのかもしれないが、残念なことにまだOS代がさらにかかる。

それを考えると、windows込みで1~2万円のsandy世代の中古PCでも買った方が絶対お得である。(そっちの方が小さくて性能も良い可能性がある。寿命はちょっと怖いが)

まぁ主眼は自作であり、PCが欲しかったわけではなく、ケースづくりが存外楽しかったので、次はもっとちゃんとしたものを作りたいなという話。図面を引いて正確さを出していきたい。