セイリログ

こう、ぼんぼりたい

『ロクメンダイス、』

ロクメンダイス、 (富士見ミステリー文庫)

ロクメンダイス、 (富士見ミステリー文庫)

某所で勧められた作品。

でも冒頭数ページに耐えられなくて、でも読みたくて……を何度か続けて、4~5年の格闘の末、深夜に一気読みして読了。

 

読んだことある人は分かると思うけど、これ凄くこっ恥ずかしい小説なのね。冒頭のふわふわとしたポエミーかつ甘酸っぱい文章は、「うわああああああ」ってなっちゃって。でも良いんだよね。これは訓練して書ける文章じゃない。

 

総評としてもそんな感じなんだけど、全体としてはそうじゃなく。冒頭の印象からピュア100%かと思ってたけど、中盤はわりと実体がある話が続く。能力もの的なフォーマットは最初から意図したものなのかな? この辺りは拍子抜けというか。まあ必要以上に身構えたせいなんだけどw。

 

終盤は結構概念的な話なんだけど、でも母親と交えた辺りと、ミステリーとしての仕掛けが発露する重厚感は良かった。でも消化しきれてないし、消化できるようにも料理されてない感じはあるから、わりと引っかかって、他の感想を読んでみたりして。

 

思想的なものを感覚的なもので書いた感じ。好きって言いたいんだけど、あと一押し足りない感がモヤモヤしてこの悪文を記した。名作になれそうな作品だと思うんだけどなぁ。もう少しバグってる感じが、俺は見たかったんだと思う。